天栄・湯本 でどやま物語

これは都会しか知らない若者(だった)著者が、研究で訪れた山村での暮らしに感化されて、地域活性化に取り組み右往左往する物語です・・・

Author:星 昇(ほししょう) 旧姓富田。

博物館学芸員、フリーカメラマンを経て
2009年に大学の研究員として福島県天栄村湯本に移住。
震災直後の2011年5月には地元の女性と結婚し、
「星昇」というベタなアイドルのような名前になる。
現在切り花用リンドウ農家をするかたわら、
地元密着型の写真館や地域活性化のNPOの運営に携わっています。

専門は植物分類学。里山の歴史と資源利用。ネコノメソウ命。

それでは、はじまりはじまり・・・

年中行事

冬の年中行事

冬の年中行事といえば、湯本では
さいの神やお日待ち講、初午などが残っています。

今年はうちがお日待ち講の当番、「当元」だったので、
会場準備などをやりました。

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以前は当元の自宅でやったそうで、
ふるまい料理なども作ったりと大変だったそうですが、
現在は集会所で、折り詰めで、かなり簡略化されています。

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お供えの内容と置き方も、次回のために写真で残しました。

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神主様を呼んで、祝詞を上げてもらったります。

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初午(はつうま)は、各家々でやる行事。
氏神様に錦の旗を飾って、子どもの成長を祈ります。

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春はまだか…

つづく

湯本温泉八幡神社例祭

11月15日は、湯本の温泉八幡神社(ゆぜんさま)の例祭です。

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五反旗の先には菊の花が飾られます。

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湯本の温泉に感謝するお祭りですが、
湯本幼稚園の七五三参りも兼ねています。

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うちの子もお参りしました。

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祈祷が終わったら集まった人たちに餅まき。

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自分たちの集落の温泉を守るためのお祭りなので、
まったく対外的に告知したりしていません。
でもこういうことがいちばん大事なんですよね。

地域に生きるということは、こういうことなのだと思います。

つづく

お盆と虫流し

湯本ではやはりお盆は特別です。
特別といっても、お盆休みで海外に行くなんてもってのほか。
ご先祖様をお迎えしなければいけません。

わが家の盆飾り。
山から篠竹をとってきて、
ワカメとそうめんをたらします。

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14日は迎え盆、16日は送り盆です。
見晴らしのよい場所にある湯本の墓場。

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わが家の墓。
土葬のころのつくりです。

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周囲には集落のご近所さんや、親戚の家ばかり。
こういう場所で眠れるよう、
死ぬまで粗相を起こさないように気を付けます。

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20日は虫流し。
害虫除けの行事ですが、
各家の盆飾りのお焚き上げという意味合いもあります。

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イナゴなどを小屋に入れ、
火をつけて川に流します。

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これが終わると、湯本は一気に秋めいて・・・
来なかったですね。今年は。

つづく

馬頭観音祭ときゅうり天王

7月第3土日は馬頭観音祭です。
その数日前に旗立て。

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このお祭り、ほんと何年前からやっているんでしょう。

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いちばん古い旗は大正時代ですし、
馬頭観音座像は鎌倉時代ですし。

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そしてこれもいつからやっているのか、
きゅうり天王。

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青年会が休止してからめっきりやる人が減りましたが、
わたしが来た時にはすでに先客が2名いたようです。

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翌日の本祭に合わせて、会津ザベリオ高校の生徒たちが
今年も古民家智恵子邸で出店を開いてくれました。

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稚児行列。
毎年子どもらの他のイベントと重なるので、
参加者が心配でしたが、開催できてよかったです。

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その後は観音堂で護摩焚き供養。
この天井画も江戸後期と推定されています。

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今年からはわたしは戸主として護摩焚きに参加。

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般若心経を唱えながら、
自分もこの湯本の歴史に組み込まれていくのを感じました。

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そして息子のためにもこの地域を残していかないと。

つづく

初集会と祭の神

湯本では、行政の手の届かない部分の自治組織として、
「部落集会」というものがあります。

集落の戸主(家長)が出席して、
集落のさまざまな決め事を行ないます。

昨年末、義理の父から
「おれは今年で引退するから、初集会からおまえが出るようにしろ」
と言われました。

戸主としてこうした決め事に混ざることを、「部落付き合いをする」といって、
部落集会のほか、冠婚葬祭などの親戚付き合い、近所づきあいを
わたしがやることになりました。

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一月最初に開かれる部落集会は「初集会」と言って、
一年間の活動計画を一気に決定していく、重要な集会です。
欠席すると罰金があるくらいです。

部落集会はいわゆる自治会のようなものですが、
参加できる家には決まりがあります。
その理由は、農山村では共有財産というものがあるからです。

わたしも里山の研究を始めたときに知ったことなのですが、
農作業に欠かせなかった牛や馬を放牧する牧野(ぼくや)や、
茅葺屋根を維持するために必要だった茅場など、
かつての暮らし方には広大な土地が必要でした。

こうした土地を管理するために、入会(いりあい)といって、
住民が土地を共有する仕組みがあったのです。

いまでは茅葺屋根の家も減り、家畜もいなくなり、
こうした土地はあまり利用されていませんが、
共有財産としていまも保有しています。

そのため固定資産税はかかりますし、
立木を売却した時には売り上げを配分するなど、
金銭の動きもあります。

そういう決算報告などもあるため、
参加できるのは昔から湯本にある家の戸主に限られるというわけなのです。

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最近、田舎に移住したものの、こうした自治会に入れてもらえず、
地元住民とトラブルになる例などがニュースになったりしますが、
地域にはこうした固有の事情があるのです。

これを一概に閉鎖的だというのは簡単ですが、
農山村は人口に対して管理する土地が広大であったり、
自然環境が厳しいことが多く、
これまで行政に頼らずに自分たちの助け合いで暮らしてきたという
長い歴史があるのです。

たいがい、トラブルを起こす移住者は、役場にクレームをつけ、
さらにその対応が悪いと、週刊誌などに訴えたりするみたいですね。

行政でできない部分を担っているわけですから、
行政に文句をいってもだめなのですけどね。

わたしも最近は地域に受け入れられているのかどうか自信がなくなってきましたが、
とにかく農山漁村をこれまで維持してきた先人たちへの敬意なくしては、
こういう土地でうまく暮らしていくことはできません。

その人に田舎暮らしが合っているかどうかというのは、
この部分にかかっているような気がしますね。

さて、話はそれてしまいましたが、
初集会はいろいろ活発な議論がありつつ終了し、
この日の午後は祭の神の準備。

夕方点火。

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今年は茅が多くてよく燃えました。

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ミズキの木に家族+1個の団子を刺し、
この火で焼いて食べると病気をしない、と言われています。

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するめを焼く人もいますけど。

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自分が何者かをよく知っている人々。
その土地にすむ理由がある人々。

こういう豊かな場所で暮らせることを、誇りに思います。

つづく
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